「最近、若い人にも増えてきた歯周病。いつのまにか、ぐらついてきた歯が抜けてしまう怖い病気です。
でも、あきらめてはいけません。的確な治療をすれば、インプラントで歯周病の進行を防ぐ事もできるのです。」

歯周病とは簡単に言いますと、歯垢(プラーク)の中の細菌によって引き起こされる炎症性疾患である歯肉炎・歯周炎と、歯を支えている歯周組織に加わる力が強すぎる場合に起きる咬合性外傷とに大別され、いずれも歯を失う大きな原因になっています。また、歯周病は生活習慣病のひとつとして位置づけられ、喫煙や糖尿病などの危険因子で修飾される事によって罹患する確率が高くなる事も知られています。そして、日本人の約7割が歯周に何らかの異常があり特に中高年者の約8割が歯周病の有病者であると言われています。
では、歯周病にかかってしまったらどうすれば良いのでしょうか。
一般的に歯周病の治療法には、次のようなものがあります。
といったところが、主な治療法といえます。
しかし、これらの方法で治療しても、いったん歯周病にかかってしまうと、残念ながら歯は少しずつ無くなっていくことが多いのです。そして、ブリッジや部分入れ歯を使うようになると、さらに一段と歯が無くなるスピードが増えて、坂道を転がり落ちるようにして、いずれ総入れ歯のお世話になる事になるのです。どこで間違ってしまったのでしょうか。
興味ある話があります。
「アメリカの歯医者さんは虫歯や歯周病で少し歯が悪くなるとすぐに抜歯してインプラントにしてしまう。」というのです。まさかと思われるでしょう。私もはじめはうそだと思いました。でも、よく話を聞いてみると、かなり本当のことで、アメリカの患者さんもそれを望んでいるということがわかってきました。なぜでしょう。それは、日本とアメリカの食生活の違いによるのです。日本では、歯周病でかなりぐらついていても、米飯を中心にした食事であれば、何とか食べる事ができるので、絶対に持たないと思われる歯でも、残す事を望む患者さんがとても多いのです。
一方アメリカでは、あの硬い牛肉を噛み切ることが出来なければ、一人前の歯とは言えないのです。ですから、ぐらついて役に立たない歯はさっさと抜いて、非常に予知性の高いしっかりしたインプラントに置き換えてしまうわけです。
この話は極論ではありますが食生活が欧米化してきている現代の日本も、やがてたどるであろう道のような気がします。では、歯周病と診断されたら、どうしたらよいのでしょうか。 まず、それがさほど重篤なものでなく、残存歯の本数も十分あれば歯周病の治療のプログラムに従った治療を受ける事をお勧めいたします。喫煙をやめるなどといった生活習慣を変える努力も必要でしょう。 歯周病が進んで欠損する歯が出てきたら、歯周治療が一段落したところで、それ以上歯周病が進行するのを防ぐ目的も兼ねてインプラント治療を受けることをお勧めします。
インプラントが歯列に加わってしっかりと噛める歯の本数が増えることで、残った歯にかかる咬合力の負担が減り、咬合性外傷によって、さらに歯の数が減少する事を防ぐことが出来ます。ただし、無条件でインプラントが植立できるわけではありません。重い糖尿病や心疾患などを有する方は、インプラントを適用できない場合がありますし、現在、進行性の重篤な歯周病がある場合にも、それが治癒するまでは適用できません。また、欠損部の骨の状態によっては、インプラントをする前に骨を造る手術をしなければならない事もあります。そして、これが一番大事なことなのですが、基礎疾患として歯周病があってインプラントを植立した場合には、その後長期間のメインテナンスが必要になる事も記憶しておいてください。
シニア世代になって、いつの間にか歯の数が減少していくのを、「歯槽膿漏だし、歳だから仕方がない、入れ歯で柔らかい者でも食べるしかないかな」なんて、人生の時間の中で大きな部分を占める食事の楽しみをあきらめないで下さい。いくつかのハードルはありますが、インプラント治療を受けて、若い頃の食生活に戻って心身ともに若返ってはいかがでしょうか。
歯周病とは歯の表面に歯垢(プラーク)、歯石が付着しその細菌によって歯周組織(歯の周りの歯肉や骨)に 炎症を起こし、最後には歯が抜け落ちてしまいます。 つまり歯周病とは、どんなに歯そのものが健康でも歯の周りが犯される怖い病気なのです。
1 健康な歯肉
2 歯垢(プラーク)、歯石が歯に付着し、細菌が徐々に増えてゆく
3 細菌の出す毒素が歯肉に炎症を起し腫れる (歯肉炎)
4 腫れがひどくなり歯を支えてる骨が溶け始める (歯周炎)
5 骨が溶けすぎると、歯を支えきれなくなり歯を失う (重度歯周炎)
1 最近口臭が気になる
2 歯を磨くと出血する回数が多い
3 歯ぐきから膿みたいなものが出る
4 冷たい物がしみる
5 寝起きに、口がねばつく感じがする
6 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
7 歯がグラグラと動く感じがする
8 歯肉が赤くはれたりする
1 糖分(砂糖)をとりすぎない
2 硬い食べ物を食べるようにする
3 禁煙
4 口での呼吸をしないようにする
5 正しい歯磨きを身に付ける
6 定期健診を受ける